動脈は重要である、とオステオパシーの創始者ATスティルは言っています。そして最近は美容の為にとリンパマッサージなどが流行っているようです。
動脈は新鮮な酸素や栄養物を身体に運び、静脈リンパは二酸化炭素や不純物を身体から排泄します。これは上下水道の役割に似ていますね。どちらに不具合が起きても困ります。
私たち施術者は、この両方の設備を充分働かせるように施術します。施術の方法としては、背骨の矯正をして交感神経系に影響を与えて、結果動脈壁に影響を与える、または横隔膜や筋膜を緩ませ、脈管系の通路を確保するなど様々あると思います。
オステオパシーのカウンターストレインのゲーリング先生は、動脈の圧痛点を取るには心臓の方向に向かって逆圧をかけ、静脈リンパの圧痛点は心臓と反対方向にストレッチをすることで施術します。
クレニオセイクラルセラピーは膜系を緩ませ、交感神経系をリラックスさせる効果があります。しかしここでゲーリング先生の考えを含めると、加圧(膜系に圧力をかける)テクニックは主に動脈に対して施術し、減圧(膜系をストレッチ)テクニックは静脈リンパに対して施術をしているのだとも言えます。もちろんこれは傾向であって、加圧の際に静脈リンパは何も関係がないということではありません。私的には、脈管系の問題が関わっている場合は、これを意識して施術していきます。
クレニオセイクラルセラピーで忘れてはならないのが脳脊髄液ですが、脳脊髄液は動脈から滲み出て、静脈リンパに吸収されます。かなり脈管系の状態に左右されるので、脳脊髄液の循環のみを考えて施術しようとするのは不十分であるように思えます。だからといって無視する訳ではなく、診断ツールとしてはより信頼が持てます。
最近認知症やアルツハイマー病などが話題になっていますが、この脈管系が充分働いていないと脳に不純物が蓄積され、脳の機能に影響を与えていきます。薬に頼るよりも前に、このシステムを充分働くようにする事が大事なのではと思います。
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