患者さんの何を診て、どのようにしたいのかを私的に書いてみます。
手技療法にはさまざまな観点があり、先生ごとに診方、方法論が違うといってよいと思います。私も鍼灸、カイロプラクティック、オステオパシー、クレニオセイクラルセラピーをやってきて、より「私的に」患者さんを診ているのではと思うことがあります。もちろん習った通りに診断、施術し、結果を出すという事もやっていますが、どの先生方もあるとは思いますが、「何か見えてくる」事があるのです。
まず最初に問診は必ずします。触ってはいけない患者さんもいるからです(高血圧200とか)。私はその後、たいてい次のことをします。
「ボーっと診る」
触っても触らなくても、まずボーっと診ます。よく筋膜を伝ってやるべき箇所を特定するというという方法がありますが、それとはいくぶん違う場合もあります。ある人は直感と呼ぶかもしれません。私たちは痛い箇所に集中してしまいがちですが、ボーっと診ると、何でそうなっているのかという俯瞰図のようなものが入ってくる事が多いです。
たいてい私はそこから問題の箇所やシステムを検査していきます。しかし時々患者さんの痛い箇所に触れて次の事をする事もあります。
「言い分」を聴く
腰の痛い患者さんに、何か変な話ですが、腰に触れながら「どうしてこんなことに?」とか、「どうしてもらいたいのですか?」 とか聞くと、なんとなく答えが返ってきます(声は出しませんよ)。たいていその通りにすると緩み方が早かったりします。私が指圧院に勤めていた頃に、なかなか緩まない患者さんに「もう、あんたどうしてもらいたいの?」と思ったら、なんとなく指が持っていかれるところを押すとそこがツボだったという経験から、とりあえず言い分を聞く事をしています。
駆け出しの頃は、とりあえず同じことをする「ルーチンワーク」が支えでした。なんか分からないけれども、とにかくやると良くなるのではないかという見込みがあったからです。しかししばらくするとルーチンワークをしないと患者さんに満足を与えられないのではないか、という強迫観念にさらされました。正直な話、今でも一部の患者さんに対してその強迫観念は残っています。
聞いた言い分とルーチンワークがかみ合えば、私は今でもルーチンワークを使います。ただルーチンワークをしていて、患者さんの内側から「これ、違うんじゃね?」という言い分が返ってきたら「申し訳ありませんでした」と聞き直すようにしています。
現在はそんなせめぎ合いを、見えない部分で対話しています。よく分からない時はYES NOで聞いてみると、意外とクリアに返ってきますよ(^_^)
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